■ あなたは“無意識のルール”で生きていないか?
「結果を出すには、とにかくスピード」
「上司の期待に応えるのが、成長」
「自分が動けば、全部解決する」
──これ、あなたの中にありませんか?
37歳・事業企画部のリーダー職、岡田さん(仮名)は、こう言いました。
「“やれば報われる”って、今までの自分を支えてきた信念なんです。
でも、最近どうも空回ってる感じがしてて。全力でやってるのに、手応えがないんですよ。」
この違和感の正体、それがまさに「マインドセットのズレ」なんです。
■ ビジネスマインドセット=“やり方”ではなく“在り方”
「スキル」は具体的な武器。
「マインドセット」は、その武器をいつ・どう使うかを決めるコンパスです。
たとえば──
- 自分が“仕事を抱え込む”クセがある
- 自分の意見を“後回し”にするクセがある
- “正解っぽいこと”を選んで安心するクセがある
これらは行動の問題ではなく、思考と価値観の問題。
そして、それをつかさどっているのがマインドセットです。
■ 事例:「正しさ」から「戦略」へシフトした男の話
岡田さんは、組織の中で“真面目で堅実”と言われてきました。
どんなときもルールを守り、責任を果たす。
でもその“真面目さ”が、次第に彼自身を追い込んでいったのです。
あるとき、彼が言ったのがこの一言。
「正しいことをしているはずなのに、なぜか評価されない。
周りはもっと要領よくやっているのに、自分は報われない。」
──そこで彼は、自分にこう問い直しました。
「“正しい”って、誰にとって?
今のこの行動、本当に自分の望む結果につながってる?」
この問いがきっかけで、岡田さんは
「正しさ」から「戦略」へ、思考の軸を変えていきました。
- 100点を目指す代わりに、“80点で回す力”を養った
- 無駄に頑張るより、“価値を見抜く視点”を優先した
- 評価を得るより、“成果で語る”スタイルに変えた
その結果、周囲からの評価も、「結果に強い人」に変化していったのです。
■ マインドセットの違いで、同じ行動も“意味”が変わる
たとえば、部下にフィードバックをする場面。
- 「正しく育てよう」と思うと、口調が厳しくなる
- 「自立させよう」と思えば、問いかけが増える
- 「失敗させたくない」と思えば、手を出しすぎる
行動は同じでも、マインドセットが違えば、伝わる意味も結果もまったく変わる。
だからこそ、自分がどんな思考パターンを持っているか、日々の言動の“前提”を見直す力が不可欠なんです。
■ ビジネスマインドセットを再構築する3つの視点
1)「やり方」ではなく、「なぜそれをやるのか」に立ち返る
→ 目的と行動がズレていないか、定期的に確認する習慣を。
2)「成果思考」ではなく、「価値創出思考」にスライドする
→ 数字よりも“誰が何に満足したか”を観察する視点。
3)「正解」ではなく、「納得解」を選ぶ
→ 他人にとっての正解ではなく、自分が本気で納得できる選択をする。
■ 問い:「今のあなたの仕事の“前提”、いつアップデートしましたか?」
- 「これはこういうものだ」
- 「これが評価されるやり方だ」
- 「自分にはこれが向いてる」
そんな“思い込みのOS”をそのまま使っていませんか?
マインドセットとは、「自分で考えて、自分で選ぶ」ための土台です。
時代が変わっても、環境が変わっても、“考え直せる人”が最後に勝ち残るのです。
まとめ
✔️ ビジネスマインドセットとは、「どう在るか」の設計図
✔️ 正しさより、戦略を。忠実さより、目的を。
✔️ 思考の“前提”を更新できる人が、ビジネスをリードする