■ 「努力してるのに、評価されないんですよね…」
ある日、30代の中堅社員・伊藤さん(仮名)がぽつりとこぼした。
「ちゃんと報連相してますし、指示も守ってます。
でも、なんか“物足りない”って言われるんです。
それって、どうしたらいいんですかね…?」
──このモヤモヤ、思い当たる方も多いはず。
実はそこに、「できない人の思考あるある」が隠れています。
■ 「できない人」は、こう考えがち
◆ 1. “完璧な指示待ち”モード
- 「まだ指示が出てないから、動けません」
- 「言われてないので、スルーしました」
→一見「ミスを避けるため」に慎重に見えるけど、実態は“責任の回避”。
✅ できる人は:「“先読み”して動いた方が、軌道修正も早い」と知っている。
◆ 2. “仕事を終わらせる”のが目的になっている
- 「終わらせたのに、なぜか喜ばれない」
- 「やったことに対して、評価が低すぎる気がする」
→タスク消化=成果ではない。
“成果とは誰かの期待を超えること”だという視点が抜けている。
✅ できる人は:「これ、本当に相手にとってベスト?」と常に自問している。
◆ 3. 「やらない理由」から思考が始まる
- 「忙しいので、今は無理です」
- 「それって本当に必要なんですか?」
- 「前例がないですよね?」
→思考の初期値が“否定”なので、前向きな提案も止まる。空気も重くなる。
✅ できる人は:「どうやったらできるか?」から発想をスタートする。
◆ 4. 「正解症候群」にかかっている
- 「間違えるのが怖くて言えない」
- 「“正しそう”なことばかり言ってしまう」
→安全地帯から出ない結果、思考も発言も“凡庸”になりがち。
✅ できる人は:「不完全な仮説でも、出してみる」勇気を持っている。
◆ 5. “タスクをこなすこと”と“仕事をすること”の違いがわかっていない
- 「お願いされたので資料作りました」
- 「予定どおり進行してます」
→“作業”はしてる。でも、“目的達成”には届いていない。
本来の目的=「相手の意図を汲んで、期待以上にすること」を見失いがち。
✅ できる人は:「この仕事の“意味”は何か?」を必ず押さえている。
■ 事例:「仕事が遅い」理由が“性格”じゃなかった話
ある制作会社のディレクター・荒井さん(仮名)は、社内でも「動きが遅い」と言われ続けていた。
でも、面談を重ねて見えてきたのは──
- 指示を“正解化”するのに時間がかかっていた
- 完璧にしてから出さないと不安
- 怒られるのが怖くて、どこまで手を抜いていいかがわからない
つまり、「思考の起点が“恐れ”だった」。
そこで彼は、「6割で一旦見せる」「相談しながら進める」という動きに変えた。
すると上司とのやり取りが増え、フィードバックで早く修正が進むようになった。
「“やらかさないこと”より、“進めること”の方が評価されるんですね…」
──そうなんです。
“安全に完了させる人”より、“進めて結果を出す人”の方が、ビジネスでは価値が高い。
■ 思考あるあるを変えるのに、「才能」も「根性」もいらない
必要なのは、たった2つ。
1. 自分の思考パターンに気づくこと
2. 一度、違う視点から考えてみること
「それ、本当に最短ルート?」
「相手は何を“感じる”だろう?」
「このやり方、誰のためになってる?」
こういう問いを持てる人から、仕事は変わっていきます。
まとめ
✔️ できない人の多くは、スキルより「思考のクセ」でつまずいている
✔️ 「やらない理由」より「やれる方法」を探す人が、進化する
✔️ 自分の“反射的な思考”を見直すことが、できる人への第一歩