■ 「発言は少なかったけど、特に問題ないと思ってます」
これは、ある営業部門のリーダー・川島さん(仮名)が、週次ミーティング後に言った一言。
でも会議を仕切っていたプロジェクトマネージャーは、こうつぶやいた。
「彼が黙ってるの、安心じゃなくて“不安”なんだよね。
頭の中どうなってるかわからないし、どこかで不満が溜まってるかもしれない。」
──このすれ違い、実はよくあります。
「黙ってること=空気を壊さない」ではなく、「何も生み出してない」ことにもなりかねない。
■ 会議で気をつけるべきは、「何を言うか」よりも「どう機能するか」
会議の目的ってなんでしょう?
- 情報共有?
- 意思決定?
- 問題の整理?
- アイデア出し?
どれであっても、「参加者がどう機能するか」が成果を左右します。
■ よくある“会議ダメあるある”と、できる人の視点
◆ あるある①:「聞いてるだけの人」になってる
- 議題には興味あるけど、自分の意見は言わない
- でも後からSlackで「ここは違うんじゃ?」って言う
→そのコメント、なぜ会議中に言わなかった?って話。
✅ できる人の思考:「“会議中”に出せない声は、後出しジャンケンと同じ」
◆ あるある②:“鋭い指摘”で止めてしまう人
- 「ちょっと論点ズレてません?」
- 「それ、前にもやって失敗しましたよね」
- 「現実的じゃないと思います」
→たしかに正論。でも、“場の動き”を止めている。
✅ できる人の視点:「指摘は“進むため”にする。“止めるため”にするのではない」
◆ あるある③:場を仕切ってる人だけが必死
- 発言してるのはいつも同じメンバー
- それ以外はただ“参加してるだけ”
→参加ではなく、“貢献”してる人がどれだけいるか。
✅ できる人の習慣:「この会議で、自分が“1個でも進められること”は何かを探す」
■ 事例:あるメンバーの“地味だけど神的”な発言
新規プロジェクトのキックオフ会議。みんなの発言がフワッとしていたとき、一人の女性社員がこう言った。
「すみません、今日のこの会議って“何が決まれば成功”って言えますか?」
──場がピタッと止まり、全員が「たしかに…」と口を閉じた。
その一言で、目的・焦点・判断軸が再設定されたのです。
✅ 会議の“質”は、目的への意識と視点の提供者が決める。
■ 会議で気をつけたい「実践レベル」の3つの習慣
1. 問いを1つ、持ち込む
「この会議、誰が何を決めるんだっけ?」
「自分のポジションから“問い”を持ってくると、会議は活性化します。」
→意見がなくても、“問い”なら出せる。問いが、空気を耕す。
2. “要約力”は、実は一番喜ばれるスキル
- 「つまり、この3つが争点ですよね?」
- 「いまの話、A案に比べてB案はこういう意図なんですね?」
→この「整理してくれる人」がいると、場の流れが一気に進む。
3. 自分の言葉で、合意に参加する
「異論はありません」じゃなくて、「自分としてはA案を支持します。理由は〇〇だからです」
→“沈黙の賛同”では、責任の所在が曖昧になる。
■ 問い:「会議で“誰の役に立ってるか”、意識したことありますか?」
- 上司の顔を立てる?
- 部下の不安を拾う?
- 意見の交通整理をする?
ただ発言するよりも、“誰のどんな意図を動かすか”を意識した瞬間、会議での存在感は変わる。
まとめ
✔️ 会議は「発言」ではなく「貢献」で測られる
✔️ 指摘より“問い”を持ち込む方が、場を動かせる
✔️ 自分の言葉で「意見を表明する」ことが、信頼になる