言葉は借り物でいい。でも、持ち歩くうちに“自分の言葉”になる」──誰かの言葉を、自分の中で育てる技術

■ ある日、何気なく読んだ一行に救われた

こんな経験、ありませんか?

  • スマホで目に入った誰かのポスト
  • 書店で立ち読みしたエッセイの一行
  • 映画のセリフ
  • 同僚がふと漏らしたつぶやき

そのときはただの“通りすがりの言葉”だったのに、気づけば何日も、心の中で繰り返していた──

「あ、なんか…この言葉、今の自分に効くな。」

これ、まさに「言葉を見つけた瞬間」です。


本当の意味で“自分を励ます言葉”って、他人からもらうんじゃなくて、他人の言葉を“自分の物語”に接続できたときに生まれます。


■ 言葉が“自分ごと”になるまでのプロセス

◆ 1. まずは、たくさん“借りてみる”

インスタの名言投稿でもいい。
有名人のインタビューでもいい。
YouTubeで流れてきた誰かの言葉でもいい。

→最初はどれも“他人の言葉”でOK。

大事なのは「その言葉が、自分のどこに引っかかったか」に気づくこと。


◆ 2. 引っかかったら、“なぜか?”を探る

たとえばこんな風に、言葉と自分を照らし合わせてみる。

  • 「なぜ今、この言葉が気になったんだろう?」
  • 「どの場面の自分に、この言葉を言ってあげたかったんだろう?」
  • 「これは、自分のどんな弱さ・痛みに触れたんだろう?」

✅ この“照らし合わせ”が、借りた言葉を“血の通った言葉”に変える。


◆ 3. そして、言い換えてみる

たとえば──

「ありのままでいいんだよ」という言葉が響いたなら、自分の中で、こう言い換えてみる。

  • 「あのとき無理しなくてよかったよ」
  • 「ズルいくらい自分を甘やかしていいよ」
  • 「“ダメでも嫌いにならない”のが、自分の味方だよね」

同じ意味でも、自分の言語で、自分に語りかけた瞬間に“効く”言葉になる。


■ 事例:他人の言葉を“翻訳”して持ち歩く人の話

30代のライター・小野さん(仮名)は、ある日こんなことを言っていました。

「元気が出ないときは、昔友達に言われた『お前、いつか絶対この経験をネタにするよな』って言葉を思い出すんです。
で、それを自分の中でこう言い換えてるんです。
『今、クソだと思ってることが、あとで誰かを笑わせる伏線になる』って。」

──“誰かの言葉”を、自分の生き方に合わせて“再編集”してるんですね。

それってもう、「自分を支えるオリジナルの言葉」なんです。


■ 自分を励ます言葉は、「つくる」のではなく「育てる」

  • 拾う
  • 持ち帰る
  • 自分に重ねてみる
  • 少し言い換える
  • そして何度も使ってみる

このプロセスの中で、言葉は“自分の細胞”になっていきます。


■ 問い:「今あなたの中で、何度もつぶやいている“誰かの言葉”はありますか?」

  • それを、あなたの言葉で言い換えてみると、どうなるでしょう?
  • それを誰かに伝えるとしたら、どんな口調になりますか?
  • それを「今日の自分」に言うなら、どんなタイミングで?

言葉って、不思議です。
意味じゃなく、“声の温度”が、励ましになることもある。


まとめ

✔️ 自分を励ます言葉は、他人の言葉から“始まって”いい
✔️ 大切なのは「なぜ響いたか」を見つけること
✔️ そして、自分の言葉に“翻訳”して、使い慣れていくこと

タイトルとURLをコピーしました