■ 結論から言うと…
「言葉にできるなら、たいてい話していいです。」
「むしろ“話していいかわからないこと”こそ、話してください。」
これが、カウンセリングの大前提です。
でも、そうは言っても初めての人にとっては…
- 「こんなこと話したら引かれるんじゃ…」
- 「これは医療? それともただの雑談?」
- 「グチってるだけで意味あるのかな?」
──そんな不安があるのも、当然ですよね。
そこで今回は、“安心して相談していい内容”と、“実は別の窓口がいいケース”の違いを、具体的にお伝えします。
■ 相談していいこと(ほんの一例)
◆ □「感情」がうまく扱えないとき
- すぐにイライラしてしまう
- 落ち込みが抜けない
- 感情の波が大きすぎてしんどい
- 人に怒れない/泣けない/笑えない自分がいる
→ 感情との向き合い方・受け止め方を整理できます。
◆ □「人間関係」がしんどいとき
- 職場の人間関係がギスギスしている
- 上司や部下に“本音”で接するのが怖い
- パートナーや家族にモヤモヤがある
- 話が噛み合わない人にストレスを感じる
→ 対話の癖や、コミュニケーションの“心の構造”を読み解けます。
◆ □「自分」がよくわからなくなってきたとき
- 頑張ってるのに、満たされない
- やりたいことが分からない
- 自分に自信がない/自己否定ばかり
- 軸がグラグラしていて、常に不安
→ 自己理解・価値観の整理・過去の振り返りにカウンセリングは最適です。
◆ □「言葉にならないモヤモヤ」があるとき
- とくに大事件はない。でも、なんか生きづらい
- 誰に話せばいいか分からない
- とにかく話してみたい。感情を整理したい
→ その“もやっ”とした感じこそ、カウンセリングで扱うべき感情です。
■ 逆に、「しない方がいい or 別窓口が適している」相談は?
◆ 1. 【明確な法的・医療的問題】
例:DV・自殺の強い衝動・精神疾患の診断目的・違法行為の加担など
→ カウンセラーは医師でも弁護士でもありません。
そのため、診断や処方、法的判断はできません。
✅ 適切な医療機関や公的機関を併用することで、より安全な支援が可能になります。
◆ 2. 【“正解”がほしい系の相談】
「〇〇すべきですか?」「これはやるべき?やめるべき?」
「上司と合いません。どちらが悪いと思いますか?」
→ カウンセリングは“正解探し”ではなく、“納得のいく答え”を一緒に探すプロセスです。
✅ 白黒ジャッジを求めるより、「自分はどうしたいか?」を一緒に掘り下げていく場所です。
◆ 3. 【愚痴のはけ口“だけ”を求めている場合】
もちろん、愚痴を吐くことも大切です。
ただし、それだけで終わると“一時的スッキリ”止まりになります。
「じゃあ、この感情の裏には何があるんだろう?」
「この状況、自分はどう関わってるんだろう?」
こうした視点を持つことで、愚痴が“気づき”に変わります。
✅ 話しっぱなしではなく、“そこから何かを見つけたい”と思えたら、それはもう立派な相談内容です。
■ 「こんなことで相談していいのかな?」と思ったときのチェックリスト
チェック | 内容 |
---|---|
✅ | 最近、人と話しても“本音”を出せていない |
✅ | 気づいたら、ため息が増えている |
✅ | 「自分のことを説明できない」もどかしさがある |
✅ | 感情の波で、自分がコントロールできていないと感じる |
✅ | 人から「頑張ってるね」と言われても、苦しい |
→ これ、ひとつでも当てはまれば、相談していいサインです。
■ まとめ:しなくていい相談なんて、実はそんなにない
✔️ カウンセリングは“心の声”を通訳する場所です
✔️ 正解をもらう場所ではなく、“納得のプロセス”を育てる時間です
✔️ 話すこと自体に意味がある。内容より「言葉にすること」に価値があるのです