「なんか…全部、負けてる気がして。」
先日、とあるクライアント(40代・営業職)とのセッションでの話。
彼はずっと順調だった。
会社でも成果を出し、周囲との関係も良好。
部下からの信頼も厚く、非の打ち所がないように見える人。
でも、表情は曇っていた。
「同期が役員に抜擢されたんです。心から祝福したいのに…正直、苦しくて。」
口元を引きつらせながら、彼は続けた。
「負けた、って思っちゃうんですよね。全部が一気に色あせる感じ。」
“比べる病”は、優秀な人ほどかかる
「比べる」って、悪いことじゃない。
むしろ、伸びたいからこそ、視界が広いからこそ、目に入ってしまう。
- あの人、部下の信頼も厚いな
- 同じ年なのに、もう独立してるんだ
- あの人に比べて、自分は何してるんだろう…
そうやって、無意識に他人の“完成図”と、自分の“作りかけ”を比べてしまう。
でも、それって冷静に考えると——
スポーツカーと登山靴を比べてるようなもんなんですよ。
どっちも価値があるけど、使い道が違う。
なのに、「速さ」だけでジャッジしちゃうから、意味のない落ち込みが生まれる。
他人は「外見」、自分は「舞台裏」
SNSを見れば、みんな輝いてる。
昇進、転職成功、資産運用、家族円満、自己実現…ねぇ、何その全部乗せ定食。
でもそれって、表に出してる“編集済みの人生”なんですよね。
しかも、自分が見てるのは、撮影ミスもNGシーンもない“ベストテイク”。
一方、自分は、未完成の企画書、家族とのすれ違い、昨日の失言…。
全部の裏側を知ってるから、勝負にならない。
他人と比べて落ち込むのって、“他人のハイライト”と“自分のNG集”を比べてるようなもんです。
じゃあ、どうすればいい?
答えは、「比べる軸を変える」こと。
「誰かより上か下か」じゃなくて、「昨日の自分と比べて、どうか?」という目線に切り替える。
それが、精神的な自由の第一歩。
たとえば──
- 「先週より、会議で口数が増えた」
- 「1年前より、部下に相談されることが増えた」
- 「昨日より、ちょっとだけ心に余裕があった」
こういう“自分内ランキング”って、誰にも評価されないけど、一番確かな“前進”なんです。
比べてもいい。ただし、「優しさ」とセットで。
比べるな!って言われると、逆に意識しちゃう。
だから、比べてもいい。
でもそれは、自分を責める材料じゃなくて、ヒントとして扱ってほしい。
- あの人のプレゼンがうまい → 真似してみよう
- 同僚が昇進した → なにが評価されたんだろう?
- 部下が頼りにされてる → 自分の関わり方はどうかな?
悔しさを、学びに変える力。
それが、“大人の成熟”ってやつです。
まとめ:「他人と比べる癖」は、成長意欲の副作用。
だから、比べるあなたが悪いんじゃない。
ただ、そのエネルギーを「落ち込む」方向に使うのは、ちょっともったいない。
どうせなら、「成長の燃料」に変えてあげよう。
人と比べるクセは、ゼロにはならない。
でも、“使い方”は、変えられる。
あなたのストーリーは、あなたにしか書けない。
だったら、他人のページに線を引くより、自分のページを一行進めよう。
▶「比較疲れ」から自由になるには、思考のクセを客観視することから
セッションでは、あなたの無意識にある“比べグセのパターン”を可視化し、自分軸で前進する習慣を一緒に育てていきます。
「比べて落ち込む」を、「比べて伸びる」に変える体験を、ぜひ。
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