「そんなことないです」症候群。—なぜ僕らは、褒められると否定してしまうのか?

■ 「ありがとうございます」が言えない大人たち

「その資料、すごくわかりやすかったよ!」

そう言われて、反射的に返してしまう言葉。

「いえいえ、まだまだです」
「たまたまです」
「いやいや、もっとすごい人いますから」

この謙遜、あなたもついやってませんか?

もちろん日本の文化的な背景もあるけれど、それにしても、褒めを受け取るのが下手な人、多すぎ問題。


■ とあるエリート営業マンの、こじれた自己評価

あるクライアント(30代・営業部門マネージャー)の話。

目標は毎期達成、部下の育成も評価されていて、社内外の評判も高い。

でも、彼はいつもこう言う。

「正直、自分の実力じゃないと思ってます」
「部下が頑張ってくれてるだけですから」
「期待されすぎると怖いです」

表面的には謙虚。でも中身は違う。

「バレるのが怖い」のだ。

“自分はそんなにできる人間じゃない”
“評価に見合うほどじゃない”

そんな感覚が、いつも心のどこかに居座っている。


■ 褒められると落ち着かないのは、「ズレ」があるから

褒められるのがつらいのは、他人の評価と、自分の自己認識に“ズレ”があるとき

たとえば、こんな感じ。

  • 自分の中では「60点」の出来だったのに、「最高!」って言われた。
  • 内心は「助けてもらったのに…」と罪悪感があるのに、感謝された。

このズレが苦しくて、「その評価、正しくないです」と心が否定しにかかる。

でも実はこれ、「素直じゃない」のではなく、「自己認識が遅れてる」ってこと。


■ なぜ自分を正しく評価できないのか?

それには理由がある。たとえば

  1. 完璧主義すぎる
    → 100点じゃないと「すごい」と思えない。だから99点でも「まだまだ」。
  2. 過去の否定体験
    → 子どもの頃、「調子に乗るな」「まだ早い」と言われ続けた人ほど、褒めに対して不信感がある。
  3. “評価=期待”だと思っている
    → 褒められる=次も結果を出さなきゃ=プレッシャーになる。

でも大丈夫。
それ、全部「変えられる思考グセ」です。


■ 自分の中にいる“厳しすぎる上司”に気づけ

誰の中にも、自分を評価する「内なる声」がある。

でもその声が、まるで“社内の鬼上司”みたいに厳しいと…

  • ミスには厳罰
  • 成果はスルー
  • 休みは罪悪感

そんな思考ルールで、心がすり減っていく。

この“内なる上司”、ちゃんと異動させたほうがいい。


■ 今日からできる「褒められ力」トレーニング3ステップ

✅ ステップ①:「どうせお世辞」って即レスをやめる

褒められたとき、まずは沈黙3秒
そのあとで、「…ありがとうございます」とワンクッションで返す
違和感あってもOK。慣れだから。


✅ ステップ②:褒めの“根拠”を探してみる

「なんでこの人は褒めてくれたんだろう?」
→ 客観的な理由や事実を探すことで、「自分も貢献した」が認識できるようになる。


✅ ステップ③:「嬉しい」「ありがたい」だけ受け取る

「でもまだまだです」は言わないで、「それでも嬉しいです、ありがとう」だけを受け取る練習。

評価は否定せず、感情レベルで感謝を返す


■ まとめ:褒め言葉は、「信頼」のギフトだと思ってみる

褒めるって、実は勇気がいる。
だから、それを口にしてくれた人は、あなたを信じてくれているということ。

そして、受け取る側の“姿勢”が、信頼を深める

だから、次に褒められたらこう言ってみてほしい。

「そう言ってもらえて、救われます」
「まだ信じ切れてないけど、ちょっと嬉しいです」

100点の返しじゃなくていい。
でも、そのわずかな「素直さ」こそが、あなたの本当の魅力になる


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